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建売住宅はまわりが家に囲まれてプライバシーがない!?もはや罰ゲーム?
もちろん、しっかりと玄関や窓の位置を考慮して設計された建売住宅があります。
そういった配慮された住宅があります。
その一方、住む人のプライバシーよりも効率重視で区画を区切って設計するケースもあるでしょう。
建売を購入する前に一度チェックしてみるといいでしょう。
建売団地はプライバシーのない生活
建売団地とは、便宜的に呼んでいる表現で、大きい敷地を建売業者が区画割して10棟や20棟の建売が集まった団地状の集合体を作っているようなものです。
共有持分の私道が大きくそこの住人専用の通路を通って家までいけるようになっていたりします。
広い土地を割安に買って、まとめて建てることでコストダウンに成功したコスパのいいお買い得な物件ができるのが特徴です。
この建売住宅の集合体を建売団地と表現しています。
1つの村に引っ越してきた家族の集まりのような共同体のような感覚になるのでしょうか。
基本的に毎日外へ出れば必ず誰かに顔を合わすので挨拶ができない人が個々に住むことは厳しいと思います。
また、不審者が私道に入ってくればみんなが「こんにちわ」と呼びかけるのでとてもじゃないですが、不審者は耐えられません。
共有の私道は今どきのものは公道よりも立派で思わず見間違えてしまうほどです。
それでいて、居住者しか入ってこないので子どもたちが安心して遊ぶことができるレアな空間です。
玄関が横一列に並んでアパートみたい!
建売団地のようなところでは、隣の家の玄関と自分の家の玄関が道路から同じ距離についていて玄関を開けた時に思わず隣の人と鉢合わせになるといったことが起きてしまいます。
これはアパートやマンションなどでよく見られる光景です。
隣の家の玄関の開く音がしたら少しタイミングをずらすために玄関で息を潜めてしばらく待っていることでしょう。
こんなことが戸建て住宅においても起こりうるのが建売住宅がたくさん集まった建売団地です。
こんなことなら、少し高級なマンションにしておけば自分専用の玄関がついていて廊下よりも少し凹んだ位置に玄関扉があるので、隣の人とばったり会ってしまうということは避けることができたのに残念だなと後悔するかもしれません。
戸建て住宅の家でも玄関の前に壁で囲まれた空間を設けることによって周りからの視線を遮ることができます。
しかしながら、この部分が容積率に入ってしまうので部屋になっていないのに容積率が消費されるということで効率重視の建売住宅にはあまり採用されないようなものです。
ただ、アパートやマンションと違うのは戸建住宅であれば自分の敷地なので玄関扉の横に目隠し用のフェンスを自費で立てることができます。
これによって隣の人と鉢合わせになって出た瞬間に目が合ってしまうと言った気まずい思いをしなくて済むかもしれません。
ただ、玄関の外に出たのに気配は感じるのにそのまままた中に入ってしまったというのでは今後の近隣関係が悪くなってしまうので、覚悟を決めて挨拶するためににこやかな顔を作る用意をしましょう。
意味のないメッシュフェンスが虚しく境界を示す
建売住宅が集まったようなところでは隣との境界線に1段ぐらいのブロックが置かれています。
そして、その上に60cmぐらいの高さのメッシュ状のあみあみのフェンスが設置されているのが普通です。
このフェンスは目隠しにもなりませんし不審者が入ってくるのを防ぐこともできません。
一体何のためにあるのかよくわからないのですが一応飾りとしてついています。
ペンキを塗り替える時など足場を組む時に邪魔になってしまいます。
これぐらいだったらむしろない方がいいかもしれないですが、隣の人が間違っても入ってしまわないようにこれぐらいの高さがあるのかもしれません。
また、車のタイヤや物置ボックスや自転車などを立てかけて置いておく時に便利なぐらいでしょう。
このメッシュフェンスがついていることによってプライバシーが確保できるということは全くありません。
もし、隣の人が庭に出ている時に自分も庭に出たとすると、ほぼ何もない状態で50cmの距離感で顔を合わせることになります。
普通は相手に気を使って人が出ている時は自分は出ないように気をつけるといった気遣いが必要になります。
こういった気遣いが必要になってくるというのは後々になって気がつくものです。
しかし、必ず必要になりますので買う前に意識しておくといいでしょう。
ここまで考えて本当にこの値段で買ってもいいのかということを考えてみてください。
道路の通行人からも丸見え
先ほど隣の家から丸見えと言いましたが、これは道路を歩いている通行人からも同様に丸見えとなるわけですまる家の中であればカーテンを閉めることによって見えないようにすることができます。
しかしながら庭に関しては何も遮るものがないのでそのままダイレクトに通行人と顔を合わせることになります。顔見知りでもないので目があったからといって挨拶をするわけでもなく気まずい時間が流れることでしょう。
こんなことが続くと庭に出ることはなくなって基本的に庭はお飾りであって本来の戸建て住宅の庭としての使い方を楽しむことはできなくなってきます。
つまり、建売団地に住む時は庭を楽しむことはほぼ不可能だということを覚悟した上で買わなければならないのです。
これを考慮して値段になっているのか?
これだったらマンションを買った方がいいのではないか?
そんなことを考えてしまうものです。
これは業者の方は経験上十分に理解しているはずなので最初からにはなんてないものとして設計している場合が多いです。
特に都会の狭小住宅における庭は基本的に土間コンクリートとなっていて駐車するスペースや物を置くスペースとしてだけ活用するような設計になっていると思います。
プライベートなスペースは家の中ということになります。
自分の敷地といえども庭はオープンな公共のスペースという捉え方になるでしょう。
門扉がないからシャッターを閉めないと不安で寝れない
立ち寄りが集まった集合の場合は基本的に門扉はついてないと考えた方がいいでしょう。
門扉がないと固定資産税が安くなっていいことがあります。
そして、建物の価格も安くなるので必ずしもないことが悪いことではないのです。
ただ一つ気になるのは、家の掃き出し窓の前まで外の人が来れてしまうということです。
実際に人が来ることはないと思いますが公共料金のメーターの検針などの人は来るでしょうし、夜、突然窓の外に人が立っていたらそれはほぼ間違いなく不審者でしょう。
まず普通の人は入ってきたりしません。
ただ、もし万が一窓の外を見た時に人が立っていたらものすごく恐怖でしょう。
夜などは怖くて窓の外が見えないという人もいるでしょう。
そのような人は厚手のカーテンを閉めっぱなしにするかシャッターを毎日夜になるたびに閉めるものです。
特別な恐怖症がなくても、考えただけで怖いので精神的に少し弱っている人はもっと恐ろしいことになるでしょう。
もし1階の掃き出し窓がついている部屋で寝ることになったらもう毎日不安でいられません。
毎日無駄にシャッターを開け閉めしてガラガラと音を立てながら次第に壊れていくのです。
そんなに毎日開け閉めしていたらおそらく短い期間で壊れてしまうでしょう。
さらにシャッターが厄介なのは交換する時に壁を壊さないといけないという問題があります。
ですから、普通はシャッターがついていてもそれが例え1階であったとしても大抵の人は閉めません。
長期不在にするとか旅行に行くような時だけ閉めるという使い方をするでしょう。
門扉がないというだけでこんなに厄介なことになるなんて想像すらできないと思います。
例えカーテンがついていたとしても夜人が入ってきてしまうという不安は消えないでしょう。
しかも、ガラスが1枚だけの防犯フィルムも貼ってないような窓の場合にはどう考えても怖くなってしまいます。
そのような場合は家が壊れたとしても毎日シャッターを開け閉めすることになるのでしょう。
こんな使い方をしていると本当に20年持たないかもしれません。
でもとりあえず手軽に住めることが一番の魅力である建売住宅にとってはそういった使い捨て感覚もいいのかもしれません。
不安に慣れるか家が壊れるまで使い倒すかのどちらかです。
こんなこと間取り図にも契約書にも書いてない。
さて、このような問題があることは契約書にも間取り図にも書いていません。
どうしてでしょうか?
それは仕方がないことです。
自分の家の間取り図は見えたとしても他の家や敷地全体の間取り図を見ることはないでしょう。
マンションの場合はどういう構造になっているかというのは共用部分も含めて確認するので確実にチェックするはずです。
しかし建売住宅というのはそれぞれの家が独立した所有物になっていますので他の家のことは気にしないことになります。
業者でもない限り敷地全体の全部の家の設計図を見ることはないでしょう。
これを覚悟した上で買うのか買ってから気がつくのかでは大きな違いがあります。
問題住人(トラブルメーカー)が1人いたらそれでおしまい!
正直なところ、プライバシーは割り切りと隣人との良好な関係によってクリアできる問題です。
でも、住人の中にトラブルメーカーがいたらどうでしょう?
その人以外の結束力が強くなるかもしれませんが、とても息苦しい生活が何十年と続くことになります。
こんな生活嫌ですね。
多数決をとってもそのトラブルを起こす住人を追い出すことは憲法上絶対にできません。
ですので、そのような住人が居た場合はそのまま暮らすしかありません。
これが日本の住居の仕組みなのです。