オールドレンズで撮影する難しさ


オールドレンズを使って街の風景を撮影していこうと考えています。

これはとても手間のかかることです。

100年近く前のドイツのレンズを買ってそれを現在のデジカメで使えるように部品を買い集めて、レンズの特性にあった街の風景を撮影するという流れなのですが、

まず、オールドレンズのことを知らない人にはとても難しいものとなってきます。

オールドレンズ撮影をやめてしまった!

以前はオールドレンズにはまっていて、サイトにまとめて掲載していたのですが、イマイチ納得できなかったのでサイトを消して、オールドレンズ撮影もやめてしまいました。

それにはいくつかの関門がありました。

・オールドレンズを当時のカメラ本体でフイルムで撮影する

・撮影したカラーフイルムを現像する

・現像したフイルムをスキャナーで読み込んでJPEG画像にする

・サイトに掲載する

と言う非常に面倒な段階をふまなくてはなりませんでした。

これは正直お金がたくさんあれば、ライカのデジカメでも各社のデジカメでもどんどん買い揃えたりしてしまうのですが、何せ、昔のレンズですから、ニコン以外のオールドレンズは今のデジカメの本体が合わないんです。

あったとしても、ミラーレスカメラにマウントアダプターをつけて繋げるというものだったのですが、それでも、撮像素子がAPS-Cというフイルム時代の35mmというものよりずっと小さい光センサーで撮影するのでレンズの焦点距離が1.5倍になってしまうんです。

これじゃ、台無しです。

スナップを取るには35mmのレンズを使って50mm相当の写真を撮影して、少しよりの写真を撮るのに50mmのレンズを使って撮影するのです。

とにかくもう、広角の写真なんていうのが絶望的になくなってしまうんです。オールドレンズの場合には。

しかも、昔は広角レンズがまだそれほどつくられていない時代ですから、無茶な話です。

広角の撮影がしたければ、超広角のオールドレンズを探さなければならない。もうそれはお宝級のレンズとなってしまいます。

そんな中唯一、ソニーのミラーレスカメラだけが35mm相当の撮像素子を持っていました。

これを使えば、本来の画角で撮影できるのです。

しかし、そこにいこうという気持ちにはなれませんでした。

なぜなら、フイルムじゃない、ソニーのデジタル画像処理の味付けがされた写真になってしまうからです。

お金がたくさんあれば、それも試して比較すればよかったのですが、優先度からいくと、当時のレンズと当時のフイルムカメラ本体を使ってフイルムで撮影して写りを見るのが一番安価で確実だったのです。

ただ、やはり、外部に現像に出すと思うとどうしても撮る気が起きません。

そこでカラー現像を家で自分でできる方法を考えてなんとか実現させることにしました。

ほんと無茶苦茶です。

もう一般にはカラー現像キットなんて発売されていないんです。

売られているのは業務用の自動現像機で使う現像液です。

使い方も分かりません。

廃液の問題もありますし、大変です。

色々試して、いくつかの会社の薬液を使って、本来とは違う使い方をしてやっとカラー現像ができるようになりました。

でも、それでも撮影してから現像まで1日がかりです。。。

また、何を撮りたいのかがよくわからなくなってしまった!

といういのが大きな障壁となっていました。

オールドレンズが好きでその写りの違いに感動を覚えても何も感動を与える写真が撮れないんですね。

カメラ雑誌メディアのレンズのインプレッション記事みたいになって、ドットを拡大したり、比較対象と比べてみたりするような感じで、被写体もなんでもいいとか、近所や室内で価値のないものをテーブルの上で写してそれをアップしたりして、こんなのなんの価値があるのだろうか?

って思っていました。

デジカメはダシの入っていない味噌汁と一緒

また、街へ出て外にあるものを撮影するとしても、最新デジカメでは何にも面白くないんです。。。

GoogleMAPのストリートビューと同じ画像が得られるだけです。

これは本当に性能がいい新しいレンズが全く無力だと感じることになります。

オールドレンズは全く違います。

今売られているレンズが化学調味料だとすれば、オールドレンズはスルメイカくらい味があります。

レンズによって煮干しだし、あごだし、いわしだし、鶏ガラスープ、ブイヨン、トマトソース、オニオン、、、、、

無限の世界が広がっているのです。

これは本当です。

人類が宇宙の存在を発見した時くらいの驚きです。

現代の人はこれを知らないで生きていくなんて、もうIphoneのカメラで十分です。

だから、誰も買わないから、いまだにオールドレンズというか、激レアのビンテージレンズが格安でヤフオクで買えるんです。

インフレのさなか、20年前となんら変わらない値段で売られています。むしろ安くなっています。

こんなお宝全部買い占めたいくらいです。

といっても、本当に買う人がいないんでしょう。

メーカーがみずから写真をつまらないものにしたからです。

そのツケが回ってきて、「スマホでいいや」に負けてしまったのです。

そもそも被写体である人が自分で撮って自分でアップして世界に公開するんですから、嘘の画像加工がされてもよく見せたいということが最優先で、味やオールドなんて全く求められていません。

フイルムのシリーズやメーカーによって雰囲気や色合いが違う!

実はこれが一番大きな問題です。

絶対に今のデジカメに実現できないことです。

なんと、雰囲気のほとんどの部分がどのメーカーのどのフイルムを使うかによって決まってしまうのです。

ところが、デジタルカメラの場合は撮像素子は1、2社が製造しているわけです。

その後のデジタル処理で色合いを変える程度は各社の特色を出すところですが、デジタルなので変えすぎるとこれじゃダメだと評価されてしまうわけです。

だから、みんなほとんど一緒。

コントラストが強いメーカーと弱いメーカーがあるくらいです。

あとはレンズは可能な限り正確に物事を写し出すことを考えて改良されています。

こんなの面白味も雰囲気もあったもんじゃありません。

実は、フイルムの現像の不正確さや引き伸ばしの光の不均一さなどが写真に風合いを与えているのです。

こういう大事な要素を捨てたら、日本食は旨味成分を駆使していてすごいといわれていたのに雑多な海外の大味の料理と同じになってしまいます。

たとえ100万円を超えるライカのデジカメであっても、日本のどこかのメーカーのデジカメと同じような、それほど大きさはなく写ります。

もうがっかりです。

ライカがいいといってもフイルムで撮影していたときのライカまでが良かっただけの話です。

もう一回フイルム時代来ないかな??

と、妄想しながらカメラをしまったものです。

そんな中、いいデジカメを見つけたのでした。

シグマのFPというデジカメに出会いました。

ミラーレスでコンデジみたいな見た目なのにフルサイズでオールドレンズに最適です。

さらに、買うと決めたのはフイルムを変えるがごとく、色味を選べるのです。

これが一番大きなメリットです。

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